服部位相幾何§3.4の冒頭部分の説明
先日,位相幾何学(服部)のゼミで小泉ふゅーりーさん(@koizumi_fifty)に説明をしてもらったのでメモしておきます.間違いがあれば,私のミスですので@maleic1618に伝えていただけるとありがたいです.
Claim.
XをCW複体とし,そのn胞体の特性写像をとする.が中への同相写像の時,結合定数は±1か0である.
Proof.
をn胞体,をn-1胞体全てとします.として考えます.
をからへの写像とみると,次の図式が可換になります.
さらに次の図式を考えます.
はをつぶす写像,はをつぶす写像とします.は図式を可換にするようにとります.
ここで,をと分解します.
(1つめはをの上にかぶせる写像,2つめはの下半分をつぶす写像です.)
最初の部分が切除同型,2つ目は可縮な部分をつぶす写像で同型になるので,は同型になります.
また,でつぶれているところがでつぶれているのでは同型になります.
さらにはn-1次元球の境界をまとめてつぶしたものなので,を1点でつなげたもの(以降と書きます.*1 )と同相になります.
さらにの添え字が以外のをつぶす写像をとします.
さて,ここで
を合成した写像をとすると,によって結合係数が決まります.
が全射でないとき*2,をとるとが可縮なので,となります.よっては0射になります.
が全射の時,をとなるように取ると,での中へ同相で写されるようなの近傍が取れます.このときはの中への同相写像になります.
この時,次の可換図式を考えます.
1行目から2行目への写像はどちらも可縮な部分をつぶすだけなので同型.
3行目から2行目への写像は切除同型.
はが中への同相なので同型になります.よっては同型写像になるので,結合定数は±1になります.
証明終わり.