代数拡大体全体は集合にならない?
「代数拡大体全体を考えてZornの補題を使えば~~~」
ちょっと待ってください
それ本当に 集合になりますか?
_人人人人人人人人人人人_
>(`о´)コラコラコラ~!!!<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
https://twitter.com/Maleic1618/status/399466243373027328
ちょっと前,こんなツイートをして何人かと議論になったのですが,ちょうど授業でそこをやったのでメモっておきます.集合論っぽいことはあんまよく分からないので,変なことを書いてたら教えていただけるとありがたいです.
Claim. 体Kの代数拡大体全体は集合にならない.
pf.) L/Kを代数拡大,XをLに含まれない任意の集合とし,Lは真にKを含むものとする.
a∈L-Kとx∈X-Lをとり,L':=(L-{a})∪{x}とするとLとL'の間に全単射が存在するのでL'にKの代数拡大体としての構造が入る.
Kの代数拡大体全体が集合になると仮定すると,が集合になる.
しかしこれは全ての(Lに含まれない)集合の全ての元を含むので集合ではない.よって矛盾.
よって代数拡大体全体は集合にならない.(証明終わり)
だから,代数閉包の存在を証明するときに,代数拡大体全体を取ってきてZornの補題を使って極大元を取る…ということが出来ないんですね~.
ではどうやって代数閉包を構成するのか?
上の証明で代数的な構造が同じでも集合としては違うものは別々に扱っていました.
そうではなく構造が同じものを同一視し代表元を取って議論することで,構造に対してZornの補題を使う…みたいにして構成すればうまくいく,とのことでした.
ちなみに授業での代数閉包の存在証明は,「各多項式に対して最小分解体を固定しておき,そのinductive limitを取る」みたいな形で証明していました.最小分解体を固定することで同一視を入れてるわけですね.(多分)
完全な証明はノートをちゃんと取ってなかったので()あげられませんごめんなさい.なにか適当な体論の本を参照してください….