メモ的ななにか

@Maleic1618

#FE,クリアしました.

久々の記事になります.

昨年の末に発売された「幻影異聞録 #FE」を購入し先日クリアしました.他の方の参考になればと思い,自分用の記録も兼ねてこちらに文章を残します.あまりがっつり書くつもりはないですが.ちなみに難易度NORMALです.

(数学まったく関係ありませんが,書くところがなかったのでこちらで.)

 

・テーマとかPVとかについて

Nintendo Direct 2015.4.2 出展映像 幻影異聞録♯FE - YouTube

幻影異聞録♯FE 織部つばさ デビュー曲紹介映像 - YouTube

主人公たちはファンタジーで出てくるような異世界に現れたヒーローではなく,現実にもいるようなアイドルや俳優たちです.PVは実際にあってもおかしくなさそうな,ライブ映像や音楽をベースにして作られており,編集でよりカラフルでより華やかな映像になっています.スタッフの方が現実世界で人々が憧れるようなものを集めた,と仰っていましたが,まさにそれに惹かれて購入しました.(筆者はアイドルグループとか戦隊ヒーローものとかは全く見ないのですけれどね.)

アニメーション等も気合入れて作られており,1つのアニメを見ているかのようなゲームでした.

 

・ゲームシステムについて

<戦闘>

基本はポケモン世界樹の迷宮みたいな感じでラウンドごとに敵味方が行動を選択し,早い順に行動していくというもの.

それだけだとよくありますがこの作品ではセッションというシステムがあり,相手を弱点属性で攻撃すると仲間が追撃を行ってくれます.その際,各キャラクターは専用のモーションとセリフつきで(時にはカットイン付きで)追撃を行うのですが,そのおかげで仲間との一体感を感じられ非常に楽しかったです.

でもスキップ機能は欲しかったかも.

 

<イベント進行>

主人公たちはTOPICと呼ばれるLINEのようなアプリで連絡を取っており,ゲームパッドを使ってアプリを操作することが出来ます.

ストーリー上重要な連絡が来た際は主人公の操作が一時的に出来なくなり,強制的にゲームパッドを見て連絡を確認させられるのですが,この時主人公は立ち止まって携帯を見ており自分たちが要件を見終わると主人公も携帯を閉まって目を上げるのです.

TOPICのようにゲーム内で携帯を使ってあれこれするというのは他のゲームでもよくあると思いますが,主人公のモーションをうまく使っていてとても面白いなあと思いました.

 

・ゲームバランスについて (未クリアの方は見ない方がいいかも)

全体的に押せ押せのバランスです.

飛び入りサブキャストがない前半は補助がだいぶ効果的でしたが(ドーガ戦ではとてもお世話になりました),後半は補助なんか放っておいて,セッションしまくってSPゲージを溜めていくのが安定しました.(でもラクカジャは強かった)

筆者のプレイ時は主人公のモデルポーズ(各キャラが1回だけ連続行動できる)→虚空斬波(単体物理攻撃+耐性低下のデバフを与える)からの味方の猛セッションが大ダメージを与えられ,さらにセッションのおかげでSPゲージが1つ貯まるのでとても強かったです.スペシャルパフォーマンスが来るともう止められなくて,後半のボスは大体そんな感じで数ラウンドで倒していた気がします.

ストーリーとアニメーションを楽しみたかったので,戦闘があまり難しくないのは私にはありがたかったですが,そちらを楽しみたい人にはあまりお勧めしないかも.

 

・その他

いくつか書きます.

つばさのサイドストーリー「心を開いて」でリトルデビルと言われている猫を探すのですが,TOPICで「探してた猫見つけた!追いかけてる!」みたいな連絡を受けたのでずっとつばさを探したけど見つからず,だいぶ時間がかかりました.つまらないミスリーディングやめてくれー!

 

上で書いてたような感じで,一瞬で戦闘は終わらせていたので状態異常対策は一切とっておらず,ラスボス戦で非常に苦労しました.封印でモデルポーズが使えずめっちゃ大変だったし,回復に追われてたらメギド連発しだすしで無理ゲ―でした.ちなみにレベリングをしたのはドーガ戦とラスボスだけです.

 

とまあ一応こんな感じでした.とても面白かったです!

 

S2Sで発表しました

S2Sで「複素関数論とCousin I問題」と題して発表をしてきました.

発表用に作ったノートをこちらに置いておきます.(Google Driveに飛びます)

参考になれば幸いです

 

参考にした本は次の4冊です.

神保 道夫著『複素関数入門』

野口 潤次郎著『複素解析概論』

若林 功著『数学のかんどころ21 多変数関数論』

野口 潤次郎著『多変数解析関数論 学部生におくる岡の連接定理』

 

ノートの7ページに"極が孤立するとは限らない"と書いていますが,実際には孤立しないことが分かります.(孤立した点があれば,Hartogs現象と同じように領域を取ってして拡張できるため)

Sheafification

野口さんの本で層のテンソル積の例を計算していて,前層を層にするのは関数を局所的にみられるようにすることなんだと確信を持った.

 

計算していたのは次の例.

Rを実数体とし,定数層Z_R*1イデアル層I<0,1>*2を考える.

S=Z_R/I<0,1>とするとS(R)はZ \oplus Zと同型.

 

※層S,Tに対して商層S/Tは{S(U)/T(U)}_{U⊂R:open}を層化して得られる層として定義される

 

実際に計算すると,

stalkについてはS_x = {Z_R}_x/I<0,1>_xだから,

S_xはx=0,1でZ,それ以外で0となってる.

で,f:R→Sとして,f(0)=a, f(1)=b, f(x)=0 (x≠0,1)という関数が連続かどうかを確かめるわけなのだけど,

これは0の近傍では「常にaを取る定数関数」と局所的に一致してるから0で連続

1の近傍でも「常にbを取る定数関数」と局所的に一致してるから1で連続

他の点では「常に0を取る定数関数」と局所的に一致してるから連続

となって,連続関数となっていることが分かります.よってS(R)がZ \oplus Zとなっているというわけです.

定数関数から定義した層なんだから,定数関数だけしか連続にならないんじゃないの?と最初勘違いしてたのですが,層化してるから局所的にみれるので大丈夫なんですね(多分).

*1:Z上に値を取る定数関数のなす層

*2:x=0およびx=1で0を取る定数関数からなる,Z_Rの部分層

Forsterの4.23の部分について

Forster『Lectures on Riemann Surface』のDef.4.23

Prop.

X,Y:Riemann面,f:X→Yをconti., proper, non-const.とする.またAをfの分岐点全体,B=f(A)とする.この時BはYからの相対位相を考えるとdiscreteになる.

proof.

Bが集積点を持たないことを示せればよい.背理法を用いて示す.

Bが集積点を持つと仮定し,を集積点,をyに収束するB\{y}の点列,となるようにとる.この時,YはHausdorffで,はその任意の点列に対して,常に収束する部分列を持つことからコンパクトになる.fはproperだから,逆像はコンパクトになる.よって部分列に取り換えることでは最初から収束列であるとしてよい.そこでとおく.

Aはdiscreteだったから,あるが存在して,となる.よってのときとなるが,これはの取り方に反する.よってBは集積点を持たず,discreteな位相がYから誘導される.

(証明終わり)

勉強したことの話

この記事はMathematics Advent Calender の25日目の記事です.

最近勉強したことのまとめ的なものになります.1日目は割と気合いれて書いたのですが,今日の記事は大したことを書けなさそうです,うっひょー.とりあえず以下,最近勉強したことについて書きます.

 


 

関数論などを扱ううちに連接層というものが出てきます.次のようなものです.

 Def. を環の層とする.-加群の層は以下の性質を満たすとき,連接層という.

  1.  -加群の層として局所有限である.つまり,任意のに対し,近傍と有限個の切断があって,
    が成立する.
  2. 任意の関係層*1は局所有限である.

また,上の定義の2の「有限個の(切断)」の条件を外した時,準連接層と言います.

 局所有限というのは,各点での茎を考えたときに特異なものがない*2,または各点において局所的に一様になっている(?)とイメージすればいいと思います(任意の点に対して,その近傍上の茎が同じ関数の芽で生成されている,と言われれば分かりやすいと思います).例えば局所有限でない層の例として次のようなものがあります.

 

Ex. 上の正則関数がなす層,でaでの芽を表すとします.,,とおく.この時,開集合上の正則関数fで,上で正則になるもの全体を考え,それがなす層を考える.この時

 となる.これは局所有限でない.

 

これはにおいて,どんな近傍を取ってもと交わってしまい,そこで茎が他と異なっているため(での茎の関数は上で0を取るものしかない),局所有限にはなりません.

ちなみに連接層の例としては(=上の正則関数がなす層)があります*3.確かに特異点とかなさそうですよね.

 

 …と,いうことで連接層というのはそんな感じのイイ性質を持ったものと扱ってみればいいと思います.関係層の局所有限性は…単なる代数的な制約とみればいいのでしょうか.よく分からないです(テヘッ 連接層の話はここでおしまい.

 

さて,では関数論でなぜ層が出てくるのか?

例えばCousin I問題*4を考えましょう.これは簡単に言うと局所的に有理型関数を与えたときに,それと同じような性質を持つ,全域で定義された有理型関数を構成できるか?というものです.もう25日が終わってしまうので詳しい説明は省きますが.これは層に対しCechコホモロジーというものを考えると,その1次の部分が消えているか?という問題に置き換えることが出来ます.同様にCousin II問題*5も層のコホモロジーを考えることでいくらか分かります.

やはり局所的な関数と大域的な関数の関係を調べるには層を使うと楽なんですね(飛躍)

めちゃくちゃ適当な説明ですみませんが,私の記事はこれで終わりです.

Advent Calenderに参加してくれた皆さんありがとうございました!メリークリスマス!

*1:開集合とその上の有限個の切断を任意にとり,に対し


と定義するとこれは-加群準同型になる.この核を関係層という.

*2:最初は「ベクトル束における局所自明性のようなもの」と書こうとしたのですが,それはもっと強い「局所自由かつ有限生成」という条件になってしまうのでやめました.

*3:この主張が岡の連接定理です.

*4:1変数ではMittag-Lefflerの定理

*5:1変数ではWeierstrassの定理

Mathematics Advent Calender1日目!

Mathematics Advent Calender 1日目です.(http://www.adventar.org/calendars/170)

明日はぽよ子さん(@tara_nai)です.人が足りないので,今からでも気軽に参加してください~.どんな内容でも構いません.(前提知識を要求するものでもOKです) 最近勉強したことの復習にでも書いてもらえればありがたいです.

 

さてさて.私の記事は"単体複体のホモロジーを用いた正多面体の分類"です.pdfをこちらに置いておきました,どうぞ.(Google Driveに飛びます)

ご意見等あればコメント,または私のTwitter(@Maleic1618)にリプライをいただければありがたいです.

 

参考文献[1]に上げた,田村一郎さんの『トポロジー』は前提知識が全くなくても読める面白い本なので是非読んでみて下さい.(今回の内容はこれに書いてあります)

 

最初はPuppe列を用いてCW複体のホモロジーを求める的なことをしようと思っていたのですが,私がちゃんと求められなかったので結局このテーマになりました.つらい.あとTeX書くのもめっちゃつらかった.つらい.

代数拡大体全体は集合にならない?

「代数拡大体全体を考えてZornの補題を使えば~~~」

ちょっと待ってください

それ本当に 集合になりますか?

_人人人人人人人人人人人_

>(`о´)コラコラコラ~!!!<

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

https://twitter.com/Maleic1618/status/399466243373027328

 

ちょっと前,こんなツイートをして何人かと議論になったのですが,ちょうど授業でそこをやったのでメモっておきます.集合論っぽいことはあんまよく分からないので,変なことを書いてたら教えていただけるとありがたいです.

 

Claim. 体Kの代数拡大体全体は集合にならない.

pf.) L/Kを代数拡大,XをLに含まれない任意の集合とし,Lは真にKを含むものとする.

a∈L-Kとx∈X-Lをとり,L':=(L-{a})∪{x}とするとLとL'の間に全単射が存在するのでL'にKの代数拡大体としての構造が入る.

 

Kの代数拡大体全体が集合になると仮定すると,が集合になる.

しかしこれは全ての(Lに含まれない)集合の全ての元を含むので集合ではない.よって矛盾.

よって代数拡大体全体は集合にならない.(証明終わり)

 

だから,代数閉包の存在を証明するときに,代数拡大体全体を取ってきてZornの補題を使って極大元を取る…ということが出来ないんですね~.

 

ではどうやって代数閉包を構成するのか?

上の証明で代数的な構造が同じでも集合としては違うものは別々に扱っていました.

そうではなく構造が同じものを同一視し代表元を取って議論することで,構造に対してZornの補題を使う…みたいにして構成すればうまくいく,とのことでした.

 

ちなみに授業での代数閉包の存在証明は,「各多項式に対して最小分解体を固定しておき,そのinductive limitを取る」みたいな形で証明していました.最小分解体を固定することで同一視を入れてるわけですね.(多分)

 

完全な証明はノートをちゃんと取ってなかったので()あげられませんごめんなさい.なにか適当な体論の本を参照してください….